セクシーペルシャゴリラ

セクシーペルシャゴリラへの道のり

ぼくらが旅に出る理由 1日目

3月半ばからプーケットへ卒業旅行に行くことになった。それまで暇なので、父親から譲り受けた青春18きっぷで西日本に行くことに決めた。岡山を通り広島、呉からフェリーで松山へ。そこからバスで高知、再びJRで高松に行く。4泊5日の予定だ。


とくに目的はないけど、地元のうまい飯と酒、あわよくば素敵な出会いを求めて普段なら絶対に選ばない「旅人どうしの交流⭐️アットホームな雰囲気で他の宿泊者の方と仲良くなっちゃいました!」な宿を予約し、お毛毛(おけけ)の処理も済ませた。よし。


3月6日(火) 1日目

岡山→倉敷→福山(鞆の浦)→尾道


それぞれの駅に行きたい場所や店があるためになかなかタイトなスケジュールになってしまったが、そんなワガママができるのが一人旅のいいところである。


岡山駅を降りて岡山電気軌道に乗り換える。

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レトロでかわいい。



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日頃の行いが良いと岡山の路上で感謝される。


岡山城近くのカフェで昼食をとる。雑誌では一汁三菜の日替わりランチが紹介されていたが、わんぱく小3男子なのでオムライスを注文した。本来はケチャップライス党の人間だが赤ワインで煮込んだ牛すじ肉がバターライスとよく合っていておいしかった。食レポもできるんですよ。参ったねこりゃ


続いて岡山屈指の喫茶店(かどうかは知らんが有名らしい)B三共へ。B三共。名前がめちゃくちゃかっこいい。黒の組織に入ったらコードネームは淡麗がいいなと思っていたけど、やっぱりB三共にしようかな。お酒関係ない。もはや別の組織である。ジンとウォッカがタリーズとドトールになってしまう。


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店に入り、フルーツサンデーを注文する。  

「すいません、フルーツサンデーひとつ」

「チョコレートパフェですね」

「フルーツサンデーです」

「チョコレートサンデー」

「フルーツ、フルーツサンデーです」

「フルーツパフェをおひとつ」

「サンデーの方です、フルーツの方の、サンデーです」

「フルーツサンデーがおひとつ」

B三共では諦めない心が試される。負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと信じぬくこと。フルーツサンデーをちゃんと注文できること。それが一番大事。


最初、私の他に3組ほどお客さんがいたのにいつの間にか店の中に私1人になっていたのでびっくりした。みんな私の邪悪なオーラに耐えられなくなったのかもしれない。そういえば、祖母の家に行った時も遊びに来ていた親戚の子どもに「どうしてまだいるの?早く帰ってよ!」と泣かれたことがある。もう誰の涙も見たくないのでフルーツサンデーを食べ終えると急いで店を出た。



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商店街に突如現れた上之町ファンタジー。母親のティラノサウルスは見守ってないで助けろよ、などという無粋なツッコミは無用。世界よ、これが上之町ファンタジーだ!

ファンタジーは発泡スチロール製である。


岡山駅へ戻り、倉敷に向かう。

倉敷に行くのは小6の修学旅行以来なので実に12年ぶりになる。チボリ公園で班員のオオグシくんが観覧車に乗りたくないと言ってめちゃくちゃゴネていたことを思い出した。私はこういうことばかり覚えている。


倉敷に着いたのは16時前だった。暗くなる前に次の目的地である鞆の浦に着いておきたいので、1時間以内に用事を済ませなくてはならない。お目当ては美観地区にある蟲文庫という古本屋だ。なぜかすれ違う観光客が皆コロッケを頬張っている。しばらく歩いていると金賞コロッケの店という看板が目に入った。前から思ってたんだけど、金賞コロッケの店、めちゃくちゃ多くないか。一定以上のレベルの観光地には必ず金賞コロッケの店がある気がする。私が知らないだけで日本国内では無数のコロッケコンペティションが開催されていて、日々コロッケたちはしのぎを削っているのかもしれない。


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おっぱいがキンキンに尖っているバニー


倉敷駅から15分ほど歩いて蟲文庫に到着した。狭い店内に本がひしめきあっている。平積みになっていた山尾悠子のラピスラズリ(文庫版)を手にとる。昔、図書館でハードカバー版を借りて読んだ気がするが、表紙をめくったところに書かれた山尾悠子氏のやけっぱちなサインに心惹かれて購入を決めた。倉敷でのミッションは完遂した。急いで鞆の浦に行かなくては。


鞆の浦へはJR福山駅からバスが出ている。片道30分、550円。あの「崖の上のポニョ」の舞台になった場所らしい。期待に胸を膨らませバスを降りる。寒い。あれ?ポニョは?ポニョどこ?ポニョいない。ポニョどころか人っこひとりいない。道なりにしばらく歩いてみたものの、誰にも出会わない。寂しすぎる。堤防にのぼってみると向かいにある小さな島々と寺らしき建物が見えた。失恋の傷を瀬戸内の海に癒されに来たOLのように振舞ってみたが、実際は失恋どころか恋愛すらしておらず鞆の浦の夕日を眺めながらドラマCDを聴いてニタニタ笑う不気味な女だった。ちゃんと調べてこなかった私が悪いんだけど、ポニョの舞台っぽいところは別のバス停で降りるべきだったらしい。とは言え、そこまで行く気力も体力もないので福山行きのバスに飛び乗る。オタクにあるまじき詰めの甘さで聖地巡礼は失敗に終わった。


尾道に着いた頃には真っ暗になっていた。宿にチェックインしてから夕食をとろう。99割の店のシャッターが降りている尾道の商店街を15分ほど歩いてようやく今夜泊まるゲストハウスに到着。木造の古い一軒家で、中に入ると懐かしい匂いがした。共有スペースであるダイニングに通される。薄型テレビの脇にみかんとハイボールのロング缶がディスプレイされていた。良いセンスだ。チェックインの手続きをしながらオーナーとこれからの予定について相談する。どうやら有名な尾道ラーメンの店はどこも既に閉まっているらしい。じゃあこのへんの地酒が飲みたいです、と言うとゲストハウスの近くにある居酒屋を教えてくれたのでそこに行くことにした。じゃ、行ってらっしゃい!と立ち上がったオーナーがグレーのスウェットを履いてることに気づき、妙な色気に目がチカチカしてしまった。


教えてもらったお店はゲストハウスから歩いて3分ほどの飲み屋街の中にあった。カウンターに座り、飲み物を頼む。お料理メニューがかなり豊富で何にするか迷っていると、女将さんが「やっぱり牡蠣を頼まれる方が多いですよ」と言ってくれたのだが、私は牡蠣が食べられない。「すいません、牡蠣ダメなんです」と言うと何しにきたんやコイツという顔をされた。そういえばロシア留学中もウクロップという香草が苦手なくせにウクロップカフェという名のウクロップ専門店に入り、「ウクロップサラダ、ウクロップ抜きで」などと意味不明なことをのたまい、店員さんを混乱させたことがある。


新鮮な魚介(牡蠣を除く)が食べたくなったので、好物のタコを注文しようとしたところで突き出しがタコの天ぷらであることに気付いた。危なかった。間一髪で井之頭ゴロー的食べ合わせ(カツ丼とトンカツを同時に注文すること)を回避し、お店のおすすめというえびもちとだし巻きを注文した。突き出しのタコの天ぷらは真夏だったら首元にあてて寝たいくらい冷んやりしていたが弾力があって美味しかった。運ばれてきた日本酒のボトルを撮影していると女将さんに「ふふ、拡散してくださぁい」と言われてしまった。こんなところまでSNSの魔の手が。試しにツイートしてみたが1リツイート8いいねという不甲斐ない結果に終わった。ごめん、ウチ、あんまフォロワー多ないねん…。

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これがえびもち。えびをまるまる一尾モチで包んで天ぷらにしている。お酒のアテにぴったり。間違いなく美味しい。


途中、背後に若い男の気配を感じると思ったら大学生らしき男性5人組が店に入って来た。気持ちお腹をへこましてみたり悩ましげな咳(コホン…?♡みたいなやつ)をしてみたりしたが特に何のイベントも起きなかったので諦めてゲストハウスへ帰って速攻で寝た。


1日目

旅の出会い:なし


2日目は尾道→呉、そこからフェリーで松山へ向かう。カメラのバッテリーが切れて写真が取り込めそうにないので記事を書くのは旅行が終わってからになりそうだ。



今朝、大学を無事卒業できることが確定した。この旅が終わる頃にはその他諸々卒業しておきたいが、果たして…(無理そうです)